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1. 表示
品質表示基準、公正競争規約等により、名称、原材料名(食品添加物、アレルギー、遺伝子組み換え表示を含む)、内容量、消費期限又は賞味期限、保存方法、製造者の表示が定められています。
原材料名を見ると、砂糖系はぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、糖類、砂糖、三温糖、はちみつ、油脂系はマーガリン、バター、植物油脂、動物油脂、乳脂肪系は脱脂粉乳、練乳、添加物はイーストフード、乳化剤、ビタミンCが使用されていました。
パンメーカー(No.1〜4)の4銘柄には上記の表示と栄養成分表示がされていました。栄養成分表示についてはNo.1、2、3は製品100g当たり、No.4は1枚当たりの数値ですが、食べる人にとっては1枚当たりの表示の方が分かりやすく、No.3には食塩相当量の値もあり、ナトリウムの値よりも分かりやすいと思われます。
原材料は小麦粉、食塩、ビタミンCは共通ですが、脱脂粉乳、イーストフード、乳化剤が使用されていない銘柄もありました。またNo.1、2、4には原材料の一部に大豆油・大豆を含むというアレルギーに関する表示がされていました。No.4はイーストやイーストフードを使用せず、パン酵母を使っていました。
その他の表示にNo.1、3には開封後の保存の仕方として、冷凍庫で保存し食べるときには凍ったままトーストする方法が記載されていました。
チェーン店(No.5〜8)、自店で焼いている個人のパン店(No.9〜15)の11銘柄のうち上記の表示のあるものは、No.6、8であり、No.14には保存方法以外の表示、No.9には簡単な原材料名の表示がされていました。原材料名の表示のある4銘柄では、小麦粉、食塩が共通で、ビタミンC、乳化剤、脱脂粉乳、イーストフードが使用されていない銘柄があり、またNo.14はイーストが入っているのにイーストフードを使用していませんでした。
今回、対面販売等の場合表示の義務がないため、チェーン店や個人のパン店で購入した食パンには表示がない銘柄が多く原材料が不明ですが、パン店独自にこだわった材料や天然酵母を使用している店が多いと思われます。しかし、消費者としては原材料や添加物、賞味期限を知りたいと思われるので、表示が望まれます。
なお、添加物には次の作用があります。
・イーストフード:イーストの栄養源となり、発酵を助けふんわりとした、豊かな風味にするための無機塩類(塩化アンモニウム、炭酸カルシウム)
・乳化剤:生地の混合を完全にしなめらかで膨れた製品をつくる(グリセリン脂肪酸エステルなど)
・ビタミンC:小麦粉のたんぱく質(グルテン)に働き、のびがよくきめの細かい風味豊かな高品質のパンをつくる
2.
価格(図1)
今回は普通食パンを消費税抜きの価格で比較すると、150円(No.13)〜250円(No.6、10)であり、平均200.7円でした。
3.
重量(図1)
公正競争規約により包装食パン1個の保証内容重量が340g以上のものについて「1斤」と表示することができると定められています。
2個の1斤食パンの各平均重量を比較すると、最低365.0g(No.7)、最高437.0g(No.6)、平均404.45gであり、全て340g以上でした。また同じ銘柄の食パンでも1斤(5枚切り)の重量に10g以上差のある食パンは8銘柄あり、5枚の各1枚の重量でも10g以上の差(最高重量−最低重量)のある食パンも11検体あり、かなりのばらつきがありました。
4.
水分・たんぱく質・脂質・塩分(%) (図1)
水分(%)は34.6%(No.13)〜42.3%(No.3)、平均38.89%でした。また、1斤の重量が重いほど水分(%)が高いということはありませんでした。
たんぱく質(%)は8.0%(No.11)〜9.3%(No.7、15)、平均8.65%でした。
脂質(%)は2.5%(No.3)〜8.0%(No.10)、平均4.75%でした。個人のパン店のNo.9〜15とチェーン店のNo.5、7は高い傾向、パンメーカー・チェーン店のNo.1〜4、6、8は低い傾向がみられました。
塩分(%)は0.98%(No.15)〜1.25%(No.1)、平均1.14%でしたが、15銘柄ではあまり差は見られませんでした。
5.
カビの発生時期
室温で放置し観察を行ったところ、カビの発生時期は(購入日を1日目とする)、最高11日目、最低5日目であり、No.3を除くパンメーカーとNo.5、7を除くチェーン店の食パンは長持ちする傾向が見られ(No.1、2、4、6、8)、個人のパン店の食パンでは保ちが悪いもの(No.9〜12)と比較的長持ちするもの(No.13〜15)がありました。おいしく食べるためにはなるべく早く、また表示に書かれていたように冷凍保存しておくのもよいでしょう。また、水分(%)が高いほどカビが生えやすいという傾向はありませんでした。
6.
官能テスト(食味) (図2)
モニター12名に、そのままの状態の外観(色、形、焼き上げ、内相等)、食感(歯触り・口当たり)、香り、味等の評価を行ってもらいました。
評価の高いものは見た目にも美味しそうな、きめが細かいもの、しっとり、柔らかい、もちもち、ふわふわ、弾力性があり、香ばしい香り、バターの香り、イーストではない匂い、乳の匂いがする、おいしく、甘い、うま味がある、後味がよい、塩味適当、嫌味がない、耳もおいしい等が多く、評価の低いものは焼きすぎ、きめが粗い、堅い、耳が堅い、もちもち・しっとりしすぎ、柔らかすぎ、パサパサ、ボソボソ、弾力がない、弾力があるもの、香ばしさがない、酸っぱい臭い、イーストの臭いがきつい、バター臭が強い、無臭、風味がない、甘みが強い、後口・後味が悪い、おいしくない、塩味が強い、酸味、味がない、うま味がない、油っぽい味等が多かった。
もちもち・しっとり・柔らかさは好みがあり、後口に残るもの、弾力があっても堅いものや耳が堅いものも評価が低く、また甘い食パンやあっさりした淡泊な食パンは好みがあるようです。
総合評価の最高はNo.11で、最低はNo.4でした。No.1、4、7、15は外観、食感、香り、味全ての評価が低いため総合評価は低く、また官能テストは好みが大きく影響すると思われますが、食感・香り・味の評価と総合評価には相関関係があり、価格と総合評価の相関関係はありませんでした。味の評価と脂質(%)との関係はほぼ相関になる食パンもあるが、脂質(%)が高くておいしい食パンと脂質(%)が高くなくてもおいしい食パンがあることが分かりました。
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